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天文学情報
- ナノグラムレベルのRNAから遺伝子発現をキャッチする新解析手法を確立
- 新しい多孔性材料によりアルコールから電気エネルギーの取り出しに成功
- 抗カビ物質の新たな作用メカニズムを発見、抗真菌剤の謎を解く
- 月の内部に予想の100倍の水か アポロ計画で採取の石を分析
- 【構造解析】名工大が赤色と緑色を見分ける視覚タンパク質の構造解析に世界で初めて成功 京大との共同研究
-2つの新たな解析手法がRNAの網羅的な機能解析を促進-
◇ポイント◇
* nanoCAGE法でナノグラムを解析、CAGEscan法で5´と3´側の両配列を決定
* 未知のトランスクリプトーム解析や細胞核と細胞質のRNAの比較を実現
* RNAの研究を促進させ、がんの個別診療など医療分野への応用に期待
独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、イタリアのSISSA(Scuola Internazionale Superiore di Studi Avanzati)と
共同で、従来のCAGE 法の感度を1,000倍以上向上させ、ナノグラムレベル(ng:1ngは10^-9グラム)のmRNAを解析して
遺伝子の転写開始点を決定することができるnanoCAGE法と、mRNA鎖の5´ 末端と3´ 側の両方の配列を一度に解析する
ことができるCAGEscan法という2つの高感度な新遺伝子発現解析方法を開発しました。理研オミックス基盤研究領域
(OSC、林崎良英領域長)のピエロ・カルニンチ チームリーダーと SISSA神経生物学部門のステファノ・グスティンチッチ
(Stefano Gustincich)博士らの共同研究による成果です。
nanoCAGE法は、現行のCAGE法などの遺伝子発現解析法がマイクログラムレベル(μg:1μgは10^-6グラム)の RNAの量を
必要とするのに対し、ngレベルのRNAの量でも解析できるように設計した技術で、DNAの断片であるプライマー配列の工夫と
cDNAの特異的な増幅法の導入によって、CAGE法と比較して1,000 倍以上の感度向上を実現しました。このため、単一の
細胞に存在している微量なmRNAの5´末端を検出し、関連するプロモーターをゲノム上で同定することができます。
このことは、個々の細胞内の遺伝子発現がどのように制御されているかを網羅的に知ることで、例えば、神経細胞やがんを
発症している細胞などで発現する微量なRNAを解析することを可能にします。
一方CAGEscan法は、nanoCAGE法と同様に微量なmRNAを解析できる上に、次世代シーケンサーの能力を活用し、5´末端と
その反対側である3´側の塩基配列の両方を同時に解析できるというメリットがあります。その結果、5´末端が、自分自身や
ほかのmRNAの3´側の塩基配列に結合する様子を明らかにして、mRNA間の相互作用を理解することができるようになります。
さらに、CAGE法では、すべてのRNAを逆転写した後、mRNAだけを分離する必要があるため、解析終了までに約5日の日数
を費やしますが、 nanoCAGE法とCAGEscan法は、mRNA だけを逆転写することができるため、解析に要する時間を2~3日と
短縮することができます。
両手法を導入することで、研究グループが「RNA新大陸」と名付けた全遺伝子の半分以上を占めるncRNAに関する知見を
増やし、これまで、ほとんど不明確なまま取り残されてきたRNAの理解が飛躍的に向上すると期待できます。
この成果は、英国の科学雑誌『Nature Method』の7月号に掲載されるに先立ち、オンライン版(6月13日付:日本時間6 月14日)
に掲載されました。
理化学研究所プレスリリース
http://www.riken.go.jp/r-world/research/results/2010/100614/index.html
-白金を使用しない電極触媒の開発と機構解明-
九州大学、旭化成株式会社は共同で、新しい多孔性材料による電極触媒の開発と理論的機構解明に
世界で初めて成功しました。今回開発された電極触媒は白金などの貴金属を使用していないことから、
安価な電極触媒の開発につながるものと期待されます。
これは、北川 宏 教授(京都大学、平成22年3月まで九州大学 招聘教授)、古山 通久 教授(九州大学
稲盛フロンティア研究センター 次世代エネルギー研究部門)、木下 昌三 主幹研究員(旭化成株式会社)ら
による共同研究の成果です。
活性炭に代表される吸着剤は、分子を取り込み吸着する役割を果たす物質であり、物質内部に多数の
小さな穴(細孔)を有することから「多孔性物質」と呼ばれています。活性炭やゼオライトに比べて高い
ガス選択吸着性を示す「多孔性金属錯体」は、高効率分離・濃縮機能を有する多孔性物質として90年代
後半から注目され、世界中で研究開発が進められています。特に最近では、CO2を選択的に高効率で
吸着する多孔性金属錯体がいくつか開発され、それらの特異な柔軟構造により脱着時のエネルギーが
少なくて済むことから、炭酸ガス削減技術の観点からも注目されています。他方、この材料を燃料電池などの
電極触媒(電極上で化学反応を活性化させる物質)に応用する技術にも関心が寄せられていますが、
これまで、電極触媒活性を示す多孔性金属錯体の開発には誰も成功していませんでした。
上記研究グループは、今回、エタノールから極めて低電位で電気エネルギーを取り出す多孔性金属錯体の
開発に成功し、精密な計算化学によりその吸着機構と触媒機構を明らかにしました。この研究成果により、
安価な非白金系電極触媒の開発やバイオマスを原料とする燃料電池等の開発が大きく加速することが期待
されます。
なお、本研究は、科学技術振興機構(JST) 戦略的創造研究推進事業 チーム型研究(CREST)の研究領域
「ナノ界面技術の基盤構築」における研究課題「錯体プロトニクスの創成と集積機能ナノ界面システムの開発」
(研究代表者:北川 宏)、及び九州大学と旭化成株式会社とが進める共同研究の一環として、同大学において
実施したものです。
本研究成果に関する原著論文は、ドイツの科学誌である「Angewandte Chemie International Edition
(応用化学誌 国際版)」のオンライン速報版で近日中に公開されます。
科学技術振興機構プレスリリース
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20100614/index.html
―「生理活性物質の化学」と「ゲノム解析」の融合研究で新たな創薬の実現へ―
疾患の分子レベルでの解析が進み、病気を引き起こす特定の標的分子が続々と見つかってきて、
それらの分子に作用する薬の設計が盛んになっています。一方で、標的分子が不明のまま薬効を
発揮する化合物も多く、その作用メカニズムが明らかになると創薬の可能性がさらに広がります。
しかし、薬の作用メカニズムを明らかにすることは簡単ではありません。
基幹研究所ケミカルゲノミクス研究グループらは、有用化合物の探索や薬の作用メカニズムの解明に
重要な役割をしている「生理活性物質の化学」と、近年進展が著しい「ゲノム解析」の研究を融合し、
海洋無脊椎動物の一種である海綿が持つ抗カビ物質「セオネラミド」の作用メカニズムを明らかにしました。
具体的には、これまで確立してきた「分裂酵母丸ごとのタンパク質を扱う解析系」を活用し、
セオネラミドを含むいくつかの化合物をゲノムワイドにプロファイリングし、そのプロファイリング結果から
作用メカニズムを推定して、実験で確かめました。
その結果、セオネラミドは従来の抗真菌剤と異なり、細胞壁合成を異常に促進させるという、まったく新しい
作用メカニズムを持っていることを発見しました。この新たな作用メカニズムは、新しい種類の抗真菌剤の
開発につながる可能性があります。さらに、分裂酵母はヒトと同じ真核生物に属する単細胞微生物で、
研究グループが構築した解析系がさまざまな疾患治療薬の作用メカニズムの解明に貢献すると期待できます。
理化学研究所プレスリリース
http://www.riken.go.jp/r-world/info/release/press/2010/100614/index.html
【ワシントン共同】月の内部には至る所に水が存在し、最低でもこれまで考えられていた量の100倍に及ぶ
可能性があるとの研究結果を、米カーネギー研究所や岡山大地球物質科学研究センター(鳥取県三朝町)
などのチームが14日、米科学アカデミー紀要電子版に発表した。
約40年前に米国が進めた有人のアポロ計画で採取し持ち帰った月の石などを、専門家らがあらためて
分析した調査の結果という。
調査は、月内部の鉱石に水が含まれているとし、これまでの予想よりも広範に分布している可能性も指摘。
米航空宇宙局(NASA)は「(米国の)五大湖の水を上回る量」と表現している。
以前から月には水があるとされていたが、予想をはるかに超える量が実際に存在すれば、将来の有人
月探査で長期滞在のための飲料水にしたり、分解して得られる水素を燃料などに利用したりできる可能性がある。
【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/201006/CN2010061501000353.html
名工大が色識別タンパク質を解析 世界初、京大との共同研究
名古屋工業大大学院の神取秀樹教授(未来材料創成工学)らは16日、
赤色と緑色を見分ける視覚タンパク質の構造解析に世界で初めて成功したと発表した。
京都大霊長類研究所との共同研究。ドイツ化学誌に掲載される。
目には赤、青、緑を見分ける光センサータンパク質が3種類あるが、構造は分かって
いなかった。神取教授は「人がどのように色を識別しているのかを解明する新たな
切り口になるのでは」と期待している。
研究では培養細胞を使い、赤と緑を感じる光センサータンパク質2種類を大量に作製。
神取教授らが開発した「低温赤外分光装置」で解析したところ、赤、緑を感じるタンパク質は
似ていたが、光を感じた際に起きる水素の結合の仕方に違いがあることが判明した。
青を感じる光センサータンパク質は今後調べる。
2009/12/16 19:53 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/200912/CN2009121601000790.html
47NEWS(http://www.47news.jp/)
